『新説幕末明治維新』

筆者の研究と創作を交えた新説で幕末・維新を書いてみます。新しい<読み物>として捉えて頂ければ幸いです

あくまでも【創作】として書いていきます。たくさんの歴史愛好家さん達と、それぞれの歴史観を共有できるような場所になればいいなと思っています

※※※※※記事に使う画像は、ネット上から無断で使わせて頂こうと思います。宜しくお願いします(ルール上問題ないのかな・・・汗)※※※※※

『大政奉還と王政復古』

【大政奉還と王政復古】

みなさんおはようございます。今日は大政奉還と王政復古について簡単に書いてみます。


<大政奉還>
1867年(慶応3年)将軍徳川慶喜が、政権の返上を明治天皇に奏上し認められたこと。


<王政復古の大号令>
大政奉還を受け、明治天皇が以下について宣言したこと


①江戸幕府の廃止 
②摂政関白を廃し三職を設置
③天皇を中心とした新政府の樹立


さて、ここで問題です。大政奉還を宣言した徳川慶喜、それを受けて天皇が王政の復古を宣言し、新政府が樹立され、明治維新が速やかに終結した。はずですよね。史実では、このあと戊辰戦争が勃発してしまいます。


おかしいですよね。絶対戦争になる流れではありませんよね(*   *)。。。


旧体制側が、新体制側に権力を返上し、新体制側が新しい体制について宣言したわけです。こんな見事な政権交代は世界でも類を見ません。それほど鮮やかな政権交代です。では、なぜこの後、戦争が起こったのか・・・・・


はい、それはあの岩倉具視です。王政復古の大号令の書面を実際に作った人物が岩倉なのです。その書面には、はっきりと【源徳川慶喜】宛と記されています。横井小楠の案では、恐らくそのシナリオはなかったでしょう。


小楠の案では、外国の脅威排除と外交を迅速に行う目的で、徳川家一族が権力を握る幕府ではなく天皇を中心とした政権を作り、有力大名が力を合わせて、天皇を助けながら外圧に対抗していく。そのために平氏と源氏が協力をするという流れだったはずです。


だからこそ、松平春嶽は横井小楠の案を採用したのです。日本が平氏と源氏の2つに分かれ、いがみ合っている場合ではなかった。小楠の案は、当時誰も考えつかなかった妙案だったはずです。


しかし、長い間、公家の間でも常に虐げられる立場にあった岩倉。どうしても岩倉自身の復権を果たしたかったのではないかと推測できます。そのために、平氏に協力的な立ち振る舞いをしたのかも知れません。若しくは、養子に入る以前の家柄が平氏だったのかもわかりません。


坂本龍馬が暗殺された大きな理由のひとつにもなったということです。岩倉具視にとっては、非常に余計なことをされてしまったわけです。ですから、大政奉還を土佐藩主に奏上した龍馬と、実行した慶喜がとても憎らしいと感じたんじゃないかな。


そんな理由から、作った書面にわざわざ<源氏の徳川慶喜へ>と書いたのだと思います。


徳川慶喜としては、自ら政権を返上することで、明治新政府内に於いて、旧幕府側の人材を多く再就職させることが可能だと判断したのでしょう。また、徳川家の存続にも繋がると考えたはずです。非常に優秀な将軍の身の処し方だと感じます。


それを、岩倉や平氏の公家が許したくなかった。ですから、無理やり戦争を起こして徳川を賊にする必要がありました。そして、実際戦争が起こると、錦の御旗と呼ばれる天皇の旗を勝手に作成し掲げたため、実質上旧幕府軍は賊軍と呼称されてしまい戦意を喪失。結果敗れてしまうことになってしまいます。


この流れは、少し先で書く予定ですが、西南戦争の時にも発生します。そして、時は流れ、真珠湾攻撃の際にも同じ事象が起こります。


現在の言葉で説明するならば、完全な公文書偽造及び行使という犯罪に該当しそうな行為です。筆者の嫌いな言葉に<勝てば官軍>というものがあります。要するに、勝ったほうが正義であり、その途中の出来事は、多少インチキでも勝つために必要だったから不問にしようという考え方を象徴しています。


この考え方は、明治維新後現在に至るまで脈々と続いていて、企業や政治の世界などにも色濃く反映されています。アメリカを代表とする、資本主義の考え方の根本であるわけです。自分が生き残るためであれば、他者を陥れても仕方がない。焼肉定食、いや、弱肉強食であるという世界です。歴史の書き換えにもこの考え方が生きていると言えます。


この考え方が存在する限り、世界はいつまでも戦争を辞めることができません。明治維新が西洋の文化を取り入れるきっかけとなったわけですが、同時に個人主義の精神も取り入れてしまったことになります。


また、維新から先、日本は文明開化を迎えるわけですが、昭和の時代まで延々と戦争の歴史を辿ることになってしまいます。平氏の特徴である、どちらかと言えば好戦的という面が顕著になっていくということです。


ってことなんで、簡単にと言いながら結構長くなってしまった。すまんでごわすっ

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